国土調査(地籍調査)事業について
地籍調査の必要性
人に「戸籍」があるように土地にも「地籍」があります。
現在、登記所に備えてある地図の多くは、明治時代の地租改正によって作られた地図(公図)を基にしたもので、当時の測量に対する考え方や技術の幼稚さなどから、実際の土地に比べて大きさや形が異なるため、地図としての役割を果たさず土地紛争の原因にも なっています。
また、限りある国土の有効活用・保全のためには、土地の実態を正確に把握する「地籍調査」を実施する必要があります。
地籍調査の効果
- 大切な財産である土地の保全と土地取引の安全を図る効果があります。
- 国家基準点に基づいた測量により作成されますので、何らかの事情で境界がわからなくなった場合でも地図によって元の位置を正確に復元することができます。
- 公図では復元できませんが地籍図は復元ができます。(座標で管理しているため)
具体的な例として
- 災害の復旧に役立つ (座標で復元されることから元の位置を容易に復元が可能)
- まちづくりに役立つ (整備計画の図案作成が容易、きめ細かな計画立案が可能)
- 土地にかかるトラブルの未然防止 (境界紛争を未然に防ぐことができます)
- 公共事業の円滑化に役立つ (公共工事の計画・設計・用地買収・完成後維持管理などを円滑に実施することができます)
- 課税の適正化に役立つ (土地面積が正確に測量されるため適正な課税となる)
- 土地取引の円滑化 (正確な土地の状況が登記簿に反映されることから安心して土地取引ができます)
地籍調査事業の実績
- 会津若松市の認証率(進捗率) 37.41 % (平成27年4月現在)
- 調査面積 274.19平方キロメートル
- 認証面積 102.58平方キロメートル
- 未実施面積 171.61平方キロメートル
法務局(登記所)でも不動産登記法14条地図作成作業(登記所備付地図作成作業)という名称で実施しています
- 平成17年度 宝町・城東町
- 平成18年度 城前・城南町
- 平成21年度 蚕養町・滝沢町・旭町
現地で土地が確認できない場合
- 土地所有者、相続人及び利害関係人が、調査期間中に登記簿上の土地を現地において確認できなかった場合は「現地確認不能」として処理します。
- 登記簿上は調査後においてもそのままで、登記簿には「現地確認不能」と記載されます。
- 道路敷地内、河川敷地内の土地については、筆界等の確認が非常に困難なため、民有地であっても調査しなくてもよい場合があります。
境界が決まらない場合
- 前から境界紛争があり今回の地籍調査でも境界が決まらない場合や、隣接地権者の不立会により境界の確認が出来ない場合は「筆界未定地」として処理します。
- 登記簿上は調査前と変わらない状態ですが、後々の土地管理や登記手続きにおいて大きな支障をきたすこととなります。
「筆界未定地」になった場合の問題点
- 登記簿の記載は、従来のままで、図面は次のようになります。(今回の調査では筆界未定地の外周のみの調査となり、筆ごとの形や面積は明らかにできません。)
- 分筆及び合筆、地目変更が出来なくなります。
- 筆界未定の土地に抵当権の権利の設定する場合は、利害関係人の承認が必要となります。
- 宅地であれば、家を建てる時の建築確認が出来なかったり、金融機関などからの融資を受けられない場合があります。
- 調査終了後に境界が決まって筆界未定の解除登記を行う場合、測量と登記の費用は所有者個人が負担することになります。
- 年数が経過すると、相続等で土地の権利者が多くなり、全員の同意を得るために苦労する場合があります。
地籍調査で修正できる事項
- 地籍調査では登記されている表題部の地番、地目、面積など、土地の実態と現況が異なる事項を正しく修正することが出来ます。
- 地籍調査は土地に関する全ての事を処理・修正できると思われがちですが、所有権や相続登記などの権利に関する事項、また、抵当権や根抵当権などの事項については職権において修正出来ません。
地籍調査の進め方
地籍調査の進め方は以下のとおりです。
なお、土地所有者の方々が直接行なう作業は、「2.一筆地調査の現地立会」 と、「5.成果の閲覧」 になります。
1.調査実施地域の住民の方への地元説明会を行います
2.土地の境界の確認をします(一筆地調査)
地籍調査では、境界をはさんだ土地所有者の方々に、双方の合意の上で土地の境界を確認してもらいます。
土地所有者など関係者の方々に現地に来ていただき、登記所にある公図等を基に作成した資料を参考に、 自分の土地の範囲を確認してもらいます。
また、土地の所有者、地番、地目(土地利用の現況)等も合わせて調査します。
3.確認していただいた境界の測量をします(地籍測量)
測量の基礎となる図根点(基準点)を設置し、各筆の土地の境界(筆界)の測量を行います。
また、その結果を基に正確な地図(地籍図)を作るととも に、各筆の面積を求めます。
4.地籍簿をつくります
一筆地調査と地籍測量の結果をまとめ、地籍簿を作成します。
5.地籍調査の結果を確認していただきます(閲覧)
作成された地籍図と地籍簿は、住民の方々に閲覧していただき、確認を行います。
万が一、調査の結果に誤り等があった場合には、申し出ることができ、必要に応じて修正が行われます。
ここで確認された地籍調査の結果が、最終的な地籍調査の成果となります。
6.地籍調査の成果は国・県の認証後に登記所(法務局)へ送付されます
地籍調査の成果(地籍図と地籍簿)は、その写しが登記所(法務局)に送付されます。
法務局では、地籍簿をもとに登記簿を修正し、それまで法務局にあった旧地図の代わりに、地籍図を登記所備え付けの正式な地図とします。
以後、法務局では、地籍調査の成果を不動産登記の資料として活用します。
実施該当地区の皆さんへのお願い
- 地籍調査実施に伴う個人負担はありません。しかし、筆界確認(立会い)や閲覧に掛かる交通費などは個人負担とさせていただきます。
- 地籍調査は皆さんの土地についての大事な調査ですから、皆さんのご協力なくしては、正しい調査ができません。
- 調査が速やかに行われますようご協力をお願いたします。 また、調査のために、職員や委託業者が皆さんの土地に立ち入ることになりますので、ご理解とご協力をお願いします。
お問い合わせ
- 会津若松市役所 農政部 農林課 農村整備グループ
- 電話番号:0242-39-1254
- ファックス番号:0242-39-1440
- お問い合わせフォーム